偽りの哲学に関する訓戒
哲学は人を高慢に陥れる人間が誇る最も愚かな学問であると思っている。真の哲学とは聖書学や正教神学に他ならないし、福音書や聖師父を学ぶことこそが最も愛すべき哲学である。ハリストスの光に照らされていない陥罪した一人の人間の理性からくる思想を信奉するのは愚かなことだ。真の哲学を愛さない者に対して彼は言われるだろう。「お前はアナフェマだ」と。哲学は人を高慢に陥れ、私は高徳な人格者で知識人であると思わせるからだ。謙遜を忘れた者はゲエンナに降り永遠の火に閉ざされることになっている。彼等は古き日のアナフェマであり、新しき日のアナフェマでもある。
私の心はひとつの国であり、その国家を経綸するの道はただ天の主にある。「勝たるる者は勝つ者の奴隷たればなり」(ペトル後2:19) と言われている通りに、何かに執着すればそのものに負けて奴隷となる。如何なる執着も捨て馥郁たる主の導のみに従っていれば良い。故に私が私の考えを受け入れそれを自ら良しとして実行することは避けられるべきことであり、私は常に警醒して従順に主の名に於いて主の言葉を実行しなければならない。私の考えというのは、私自身が陥罪した人間であるが故に、その考えは悪魔から齎されたものであるから、それに従うことはアナフェマである。故に自らの意思を排して主の言葉に従う必要がある。
私が引用する哲学者の言葉は、主に従う哲学者の言葉のみである。何故なら無神論者である哲学者というのは、陥罪した理性から生じる病んだ知性の全く恥ずべき悪魔の知恵に溺れ、それを崇高な教えと信奉して自己陶酔しているからだ。自然を見れば主の御業が明らかであるから、言い訳の余地はないのである。