Erflett Feusty
エールフレット・フォースティーは,Saikha4nに依って«原初の夢»から取り出され,アリビナ宇宙科学研究所に依って記述されている架空世界 (エールフレット世界系) の総称であり,単にエールフレットと呼ばれることも多く,エルフレットやアルフレットと書かれることもある。内部の主要言語であるフーリカ語での名称はẾrflêtt Feustyであり,外方的には永理と呼ばれることもある。エールフレット・フォースティーの基本構造は3層の世界系であり,このうちのひとつであるエールフレット・ヒェッラ (下界) とは異なる。通常エールフレットと言った場合にはエールフレット・ヒェッラを指し,エールフレット・フォースティーはそのまま表記されるが,下界という語が使われている場合にはエールフレットはエールフレット・フォースティーを指す。但し,架空世界エールフレットと言った場合にはエールフレット・フォースティーを指す場合が多い。ここでは便宜上,エールフレット・フォースティーをエールフレット,エールフレット・ヒェッラ (下界) を下界と表記する。
Overview
エールフレットはアリビナ宇宙科学研究所で研究創作が現在も続けられている架空世界であり,Saikha4nが2015年8月16日に見た«原初の夢»の舞台であった架空世界である。エールフレットは,地球上または観測可能な宇宙の何処かの過度の力に依って織り込まれた時空の内側であるとする時空の歪み説と,並行宇宙・並行世界であるとする並行世界説と,全くの異世界であるとする異世界説があるが,異世界説はエールフレットに齎された文化等から推測して,一番可能性が低いとされている。相対論から推測して,重力が弱く時間が速いというエールフレットの性質から時空の歪み説が最も注目されており,現在一般的に用いられるエールフレットの解釈は織り込まれた時空の内側であるとする時空の歪み説である。この仮説の正当性は,エールフレットの観測記録 (AISAS霊夢) にエールフレットの外に我々の暮らす現実世界が存在するとされているという記録からも認めることができる。この場合,我々の住む現実世界はエールフレット内からは«外界»との呼称が使われる。外界という語自体はエールフレットの外の観測可能な領域に限られない全ての同一世界域を指すが,その並行世界と区別する為に形式的には«エールフレット外界符号»で呼ばれ,直接の外界は通常HF-00と呼ばれる。2022年頃のアリビナ宇宙科学研究所の研究で,この仮説の前提では,エールフレットは地球上のUTC-8からUTC-9の位置に存在する時空の歪である,ということが判明している。また,エールフレットに渡界した人類はこのエリアだけでなく世界中からである為,エールフレットの入り口は地球上の至る所に存在していると考えられている。
時空の歪み説を採用した研究はAISASに依って多く行われて来ており,特に«エールフレットの形状問題»や«エールフレットの時間問題»等の未解決問題の考察の過程に於いて,この説は他の説よりも優位性・正当性が認められており,これらの未解決問題の研究での解法は時空の歪み説を採用したものが殆どである。この世界は夢から取り出された世界である為,作者不明または作者無しとするのが通例である。原初の夢を見てエールフレットを取り出したSaikha4nは,エールフレットの夢ではÊnna Sonafrą́ka (エンナ・ソナフリャーカ) という人物 (ヒトではなくフォーリンという別種族であるが,人型である為人物と記述される),«世界の構成員»として夢を見ている為,作者とは見做されない。アリビナ宇宙科学研究所はエールフレットの実在性は捨てきれないという立場である。
Designation
この世界の名前については,当初ははっきりとしていなかった。この為,«空想世界»或いは«想界»との呼称が用いられていたが,後のフーリカ語の研究に依って,原初の夢で«エールフレット»という名称が登場していることが確認され,以降これらの古い呼称は用いられなくなり,一般に«エールフレット»と呼ばれる様になった。2024年1月13日まではẾrflêttという語の意味は未解明であり,ミョルナ神聖語にEirs Fliddaという語があることから,フーリカ語由来ではなくミトーア神聖語由来であると考えられていた。そして,2024年1月14日のAISAS霊夢«久遠の夢»でミトーア神聖語のÊires Fliddaという語が現れ,Êire-sが«久遠の»,Fliddaが«揺籃の地»を意味することが判明し,ミトーア神聖語のÊires Fliddaがフーリカ語のẾrflêttの語源であることが分かった。これに依って«エールフレット»の語義は,Êires Fliddaの原義では«久遠の揺籃の地»であり,変化して«久遠の郷»,フーリカ語ではẾrflêttと一語になっていることに合わせるならば«久遠郷»或いは«永遠郷»といったものになる。Feustyという語はフーリカ語で«世界»を表す言葉である為,エールフレット・フォースティーとは«久遠郷世界»を意味する。«エールフレット»が«久遠郷»を意味するならば,久遠郷とはエールフレット・ヒェッラであり,それを取り巻くエールフレット・フォースティーは«久遠郷の世界»であるから,エールフレット・ヒェッラをエールフレットと呼び,この場でエールフレットと呼んでいるエールフレット・フォースティーこそ«エールフレット・フォースティー»と呼ばれるべきであろうと考えられる。従って,以前よりのAISASでの„通常エールフレットと言った場合にはエールフレット・ヒェッラを指し,エールフレット・フォースティーはそのまま表記されるが,下界という語が使われている場合にはエールフレットはエールフレット・フォースティーを指す。“という呼び分けは正しいことになる。
この世界には複数の呼称が存在しているが,正式な名称はエールフレット・フォースティーである。エールフレット・フォースティーは通常,«エールフレット»と呼ばれる為,同一にエールフレットと呼ばれる«エールフレット・ヒェッラ»と混同される。この為,エールフレット・ヒェッラを«下界»と呼ぶ場合や,エールフレット・フォースティーを架空世界エールフレットと呼ぶ等,呼び分けがされている。エールフレットという名称が使われている場合,何方を指すかを文脈やこれらの呼び分けから判断する必要がある。
エールフレットは外方的には漢字二字で«永理»と表記されることもある。この呼び方は我々の世界からエールフレットを指す場合にのみ使われ,エールフレット内で永理という語がエールフレットを指す為に使われることはない。また,永理はエールフレット全体を指す言葉であり,永理と言った場合にはエールフレット・ヒェッラ,ニヴルクート・ヒェッラ,ウミリア・ヒェッラを含むエールフレット世界系 (エールフレット・フォースティー) 全体を指す。下界のみを指す場合には«永界»という略語が使われる。
内方的な呼称としては«エールフレット»との呼称の他に,エールフレットの意訳である«久遠郷»や«八界»等の呼称も用いられる。久遠郷という呼称は,日本語を母語とするトーリン国家に属するエールフレット人類が主に用いるものである。また,フーリカ語等で«エールフレット»という語を各言語に意訳した名称の翻訳でも用いられる。この久遠郷との名称は下界を指す場合にも使われる為,注意が必要である。また,外方的にもこの呼称は用いられることがあり,エールフレット・フォースティーを指す場合には特に«久遠郷世界»が用いられる。更に,この語源の語の直訳である«久遠の揺籃の地»等も内方的/外方的に用いられる。八界との呼称は,スオリフィア教会において8がエールフレットを表す数とされていることからの呼称であり,エールフレット内では普遍的に用いられており,エールフレットの国際連合の名は«那由他八界管理連盟機構»である。八界という呼称は外方的には使われないことに注意が必要である。この他の呼称としては,エールフレットが三層構造の世界系であることから«三界»及び«三つの世»等の呼称も内方的には一部で用いられている。
Structure
エールフレットは三つの世界からなる三層構造になっており,上から,ウミリア・ヒェッラ (天界),エールフレット・ヒェッラ (下界),ニヴルクート・ヒェッラ (地底),の界域に分類される。また,エールフレット・ヒェッラの層にはアルゲンリートやゲルガリア次元世界等の特殊な界域が存在している。夫々の世界 (界域) は別の世界という扱いを受けるが,これらは全てエールフレット内部に存在しているエールフレットの構成要素に過ぎない。現在の処,多重に織り込まれた時空がこのような階層構造の世界系を作り出していると考えられている。夫々の世界は物理法則が異なることはなく,同一世界エールフレットの内部であることが確認されている。但し,アルゲンリートやゲルガリア次元世界等はエールフレット内の«特異点»であり,ここでは事象が歪む為物理法則が異なっていることがある。通常これら,基本三つの世界 (界域) は境界を越えることで行き来することができるが,その際に«境界破りの負荷»または«境界線の呪い»と呼ばれる致命的な負荷を受けることになる為,エールフレットの生命たちは基本的に境界線を越えることを避けている。天界と下界の間は一方通行であり,上から下へのみ通り抜けることが可能である。これは下界から天界に上がる場合の負荷が最も強く,負荷によって生物には確実な死が齎される為である。即ち,通常では,天界から下界に降りれば天界へ上がることはできない。但し,下界最北端にあるミトーア神域からのみ天界へ上がることができる。

この世界系は前述のような三層構造を基本的な形としているが,この世界全体がどのような形状であるのか,という問いに対して我々は明確な解答を持ち合わせていない。というのも,このエールフレットという世界の形状がどのようなものであるのかという問題は,«エールフレットの形状問題»と呼ばれ,エールフレットの未解決問題のひとつに数えられているからである。この問題は現在も研究が続けられており,AISAS内でも重要な課題となっている。故に,この世に於いてエールフレットの形状について語る者は皆,幾つかある仮説のうちのひとつを述べているに過ぎない。AISASでは,最新の公式の見解では«エールフレットは逆さの四角錐の形をしている»という«逆さ四角錐仮説»を全面的に支持している。この仮説を採用した場合のエールフレットのイメージ図が図1である。ここで赤点線は北と南の«極点»を表している。この極点は後に説明する«エールフレットの時間問題»に於いて重要な役割を果たす。この図では,エールフレットが逆さの四角錐として描かれ,底面の位置する上部から,ウミリア・ヒェッラ (天界),エールフレット・ヒェッラ (下界),ニヴルクート・ヒェッラ (晶界),の三階層の構造をしていることが示され,下界の層の四方の辺付近には特異点である界域が存在することが示されている。現在迄に判明しているエールフレットの特異点の界域は,アルゲンリートとゲルガリア次元世界の二つであるが,前者が北端の辺付近に,後者が東端の辺付近に,夫々存在していることから,同様に南端と西端の辺付近にも特異点の界域が存在していると考えられている。極点の辺付近にあるアルゲンリートが,無限に近い時間方向を持つ次元世界であることから,南端にあると予想される特異点界域も同様の物理法則を持っていることは予想されるが,極点の辺ではない辺付近にあるゲルガリア次元世界が11次元の多次元世界であることからは,西端にあると予想される特異点界域が同様の物理法則を持っているとは予想できない。これは,ゲルガリア次元世界が«特異点の中の特異点»である可能性が捨てきれず,エールフレット内部でも稀な界域である可能性があり,座標では南北に同じだけのずれで東西に反対方向に絶対値が等しいずれの位置にある特異点が,この稀な特異点と同様の性質を持つことは断言することができないからである。
Physicla Properties
エールフレットは基準点では地球地表よりも重力が4倍ほど弱いが,これは場所に縁って若干のずれが生じる模様である。研究史上は,同様に時間の流れが地球時間よりも4倍速いとされていた。然し,この時間と重力の関係は相対性理論を破るものである為,検証が必要であった。加えて,研究時期が長くなるにつれて,«4倍»ではないデータが多く出て来た。2024年1月14日のAISAS霊夢«久遠の夢»では下界の時間は,地球地表での24時間で34マイクロ秒速く進んでいた。これは相対性理論に依り,下界では地球地表よりも重力が4倍弱いことから,相対性理論上正確な数値であることが判明している。また,過去の複数の夢に於いても,エールフレットの時間は地球地表と大きくは変わらない可能性が示されていた。このようなデータ,時間の流れの速さが地球地表と然程変わらないことは,下界のグラズリス地方のデータで顕著に表れ,また下界のオートロメネアの王国マハヴォーエ等の多くのデータでも示されるが,オートロメネアの特に南部のデータには時間の単位に秒・分・時の次の«刻»という単位が出現し,下界の1日は6刻であるという記述が見られる。時間の流れが地球地表よりも4倍速いことは,下界のエストの深林とその近辺のデータで顕著に表れる。加えて,ニヴルクート・ヒェッラに於いては,深度が深くなるほど重力値が増大し,時間の進行が遅くなるが,反対にウミリア・ヒェッラでは高度が上がる程重力値が減少し,時間の進行が速くなるデータが示されていた。この為,エールフレットは場所に依って時間の流れが大きく異なる可能性が考察され,この問題はエールフレットの未解決問題である«エールフレットの時間問題»と呼ばれるようになった。
この問題での重要な視点として,オートロメネアの南部等の南端に近い地域では時間が速く進んでいるという点である。このことから,エールフレットの時間の流れを歪ませる要因である重力ポテンシャルは均一な分布ではなく,南北に«重力ポテンシャルが極大となる極点»が存在し,その極点に近いほど時間の流れが速くなるのではないか,との考察が行われた。この時に,同様にして«エールフレットの形状問題»も議論されていた。何故ならば,エールフレットの形状が定まらなければ,エールフレットの重力ポテンシャル分布を理論的に記述することができず,従ってエールフレットの時間の流れを体系的に記述することができないからである。この当初の議論では,エールフレットの形状は«球状仮説»が支持されていた。然し,ニヴルクート・ヒェッラとウミリア・ヒェッラでの深度と高度と重力ポテンシャルの差を考慮すると,球状であれば中心側が重力値が高いはずであり,このことだけを見るのであれば重力値が増大するニヴルクート・ヒェッラは当然中心に近い筈であり,これはエールフレットの構造上正しいと言えるが,南北にずれる程重力値が上昇することの説明はできなかった。この為,エールフレットの形状問題ではこれらを解決する«逆さの四角錐仮説»が支持されるようになった。
下界に於ける標準時間単位である«玅»の定義が2024年11月13日に定まり,秒換算では1玅は近似値で 1.041 666 667 076 581 7 秒という値であることが決定したが,この定義値によって下界の1日の長さは1玅の60倍である1分の60倍の1刻 (時) の24倍,即ち 86400 玅であるから秒換算では 90,000.000 035 416 5 秒となることが定義された。然し,この値も同様に相対性理論を破るものである。この為,この1日の長さは«下界に於ける1日の平均長»と定義されることとなった。加えて,24時間と34マイクロ秒という相対性理論上正確な1日の長さは,«エールフレットの基準地点に於ける1日の長さ»と定義されることとなった。従って,相対性理論による重力ポテンシャルの差に基づく時間の進み方の差を考える場合,エールフレットの時間の変化率は以下の近似式で求められる。
\[\Delta t_\mathrm{Earth} - \Delta t_\mathrm{EH} \approx \frac{GM}{rc^2}. \tag{1.1}\]
また,下界の基準点での1日の長さ\(\Delta t_\mathrm{HF}\)は,
\[\Delta t_\mathrm{EH} = \Delta t_\mathrm{Earth} + 34 \times 10^{-6} s \tag{1.2}\]
逆さ四角錐仮説を採用すると,基準点は逆さ四角錐の重心に近い位置である筈である為,重力ポテンシャルの分布関数\(\Phi(r,z)\)は以下のような形状を取ると仮定できる。
\[\Phi(r,z) = -\frac{GM}{\sqrt{r^2 + z^2}}.\tag{1.3}\]
これら様々な考察の結果から,逆さ四角錐仮説ではエールフレットの1日の平均長は,
\[T_\mathrm{average} = \frac{1}{\frac{1}{3}a^2 h} \int_0^h \int_{-a(1 - \frac{z}{h})/2}^{a(1 - \frac{z}{h})/2} \int_{-a(1 - \frac{z}{h})/2}^{a(1 - \frac{z}{h})/2} \Delta t(x,y,z) dx dy dz.\tag{1.4}\]
で求められ,これが定義値の近似の 90,000.000 035 416 5 秒に限りなく近づくように変数を操作することに依って下界の基準点の高さ及び基準高さでの極点の重力ポテンシャル,またニヴルクート・ヒェッラの深度の限界及び下界の水平方向の大きさを考察することも可能である。
この研究の詳細は「エールフレットの時間問題の研究」を参照。
光速度等の基礎物理定数はエールフレットと我々の宇宙で変わりはないが,使用される単位が異なる為に定義値が違っていることがある。例えば,エールフレットの特に下界に於いて,国際的な学会で正式に採用されている真空中の光速度の定義値は 326,103,848 f/n である。fは長さの標準単位«フォータ»であり,nは時間の標準単位«玅» (ニムノー) である。この定義値はフォータ (f) をメートル (m) に,玅 (n) を秒 (s) に換算すると地球で定義されている真空中の光速度の値と等しくなる (単位換算は近似値である為,提示されたfやnの定義値を用いても実際には近似値にしかならない) 。長さの単位フォータの定義にはこの光速度の定義が使われており,真空中で光が1玅の 326,103,848 分の 1 の時間で進む行程の長さで定義されている。また時間の単位玅は,水素分子イオンの特定遷移周波数\(\Delta_{\nu H_2^{+}}\)に基づく放射が 129,399,585,972,246 回振動する時間で定義されている。
エールフレット内の夫々の世界 (界域) での物理法則については,各世界のページを参照。
Organism
生命体は外界とは異なる進化を遂げたものが多いが,外界から侵入 (渡界) した生命体が原型となっており,外界から侵入した生命体そのものも生息しており,人類の生存やエールフレットに迷い込んだ人類の独自文明の構築も確認されている。特に先古代以前に於いては,エールフレットの特に下界では神 (ニース) という生命体と渡界した人類の時代であった。ここにエールフレットで独自の進化を遂げた植物,フクールイ科の植物であるヒトヤドリギがヒトに寄生して成長したものである«フィーリンス» (聖樹) という植物の,繁殖活動で大きな役割を荷っていた動物的植物である«トーリン»が下界では覇権を取り,フィーリンスとトーリンが人類を制して大きく繁栄して下界で文明を築いている。然し一部のトーリンは,人類との共存を望んで人類をトーリン国家に迎え入れる等の動きも見せており,一方でトーリンと敵対し独自の文明を構築してエールフレットに生活している人類も存在している。神という生命体は先古代から一貫して中立的な立場を取っており,トーリンとも人類とも接している。神 (ニース) という生命体はエールフレットに120体だけ存在するが,この下位互換の生命体である準神 (ダ・ニース) はどのくらい存在しているか判明していない。
この世界の生命体は,神という生命体に近い力を手にすると«ルミーミ»と成る。ルミーミは«神と等しく同座なる者»の意であり,生命体の名称ではなく神という生命体に近づいた生命体に与えられる称号のようなものである。ルミーミは人型生命体しか成り得ず,ルミーミに成ると頭上に神や準神が持っているような固有の光輪が出現する。神は光輪の他に光翼を持ち,これらはカリュミスと呼ばれる。カリュミスは触れることができず,物体をすり抜ける光である。エールフレットの神秘科学では,神・準神やルミーミの存在は«天譜» (スオリフィア教会に於いては«顕至»,ゲルガリア等に於いては«崇高») と呼ばれ,«天譜»は«秘象» (一般的には«秩序»,ゲルガリアに於いては«神秘») と«懼惧» (一般的には«狂気»,ゲルガリアに於いては«恐怖») の二つの状態を持ち,通常«天譜»は«秘象»の状態に依ってのみ素描されるが,«秘象»と«懼惧»は裏と表,光と闇,希望と絶望の関係にあり,«天譜»が«絶望»等を経験して大きな闇に呑まれる,またはその他の特殊な事例に於いて«天譜»が浸食を受けると,«天譜»の«秘象»は«懼惧»へと変質する。このように«秘象»が«懼惧»へ,または«懼惧»が«秘象»へと移り変わることを«反転»という。«天譜»の中には常態でこの二つの状態に依って描写されるような存在«反転同調存在»等が存在し,それは自由に«秘象»と«懼惧»を切り替えることができる。神は通常«天譜»の二つの状態の何方かに依って描写され,«秘象»に依って描写される神は正の神であり,«懼惧»に依って描写される神は負の神とも呼ばれるが,スオリフィア教会に於いては,正の神は«天使»,負の神は«悪魔»と呼称される。また,神の内でも最高神であるミトーアリスは二体一対の神として知られ,«秘象»と«懼惧»の両方の状態で常に描写される«天譜»である。故に,最高神ミトーアリスは他の神とは区別されることが多く,スオリフィア教会等の一神教に於いてはミトーアリス以外を«神»とは認めず,前述の通り他の神を«天使»或いは«悪魔»と呼称する。更に,準神も通常の神と同様に,何方かの状態で描写されるが,準神が神とは異なる点として,準神は反転すると別の存在となることである。これは例えば輪廻神は反転すると終焉神へと変化する。最高神以外の神と準神を併せて«神使»と呼ぶことも多い。
エールフレット内の夫々の世界 (界域) での生命体については,各世界のページを参照。
History
現在の説では原始地球に天体が衝突したとされる«ジャイアントインパクト仮説»から,その衝突のエネルギーによって作り出された時空の歪み・織り込まれた時空がエールフレットであり,この時点がエールフレットの始まりとされている。スオリフィア教会等の聖典の一部となっている«エールフレット神話»では,神話の時代より遥か昔に二体一対の原初の神ミトーアリスがエールフレットを8日で創り上げたとされているが,この8日というのが実際にどのくらいの時間であるかは不明である。エールフレットの科学研究では,ジャイアントインパクト仮説は«メオロ飛来説»とされ,母体となる原始惑星 (地球) に生命体やその文明の残骸 (メオロ) を残した朽ちた天体が衝突したことで,時空歪みが発生し時空が織り込まれてエールフレットが創られたとされている。このメオロという語は元はAISASの神秘科学研究に於いて用いられた語であるが,何故かエールフレットに於いても一般的に用いられている。この衝突で地球や月,エールフレット各地に散らばったメオロが«メオロの園»を形成しており,それに触れることで朽ちた天体の文明の叡智の記憶を手にできるとされている。このことはSaikha4nの音楽作品や,エールフレットを舞台とした小説作品にも反映されている。